天神大牟田線雑餉隈駅付近高架工事に伴う仮線切替工事
2017.3.10
西鉄天神大牟田線では「雑餉隈駅付近連続立体交差事業」と「西鉄天神大牟田線(春日原〜下大利)連続立体交差事業」が隣接して進行しており、雑餉隈駅北側から下大利駅南側までの約5.2kmを連続して高架化する工事が行われております。
2017年3月10日、雑餉隈駅付近連続立体交差事業において、高架工事の大きなイベントの一つである仮線切替工事が行われ、当社は起点側(北側)切替部を担当しました。
21時30分
集合場所にて作業前ミーティング。
総勢約70名、これまでに何度も重ねられた工程打合せ、作業確認。それでもミスは許されないと作業員に緊張がみなぎります。
21時30分
歩いて約5分、まだ列車が走ることがない仮線部を歩いて作業場所へと向かいます。
22時00分
列車が走る営業時間での間合い作業を開始。
枕木間に砕石があるとレールを動かすのが大変なため、前作業で砕石を土嚢につめて敷き詰めています。
まずは列車間合い作業で、列車が安全に走行できるための土嚢を残して撤去し、終車後少しでも早くレールを移動できるようにと準備を進めます。
0時10分
最終電車の通過まで待機。
線路閉鎖確認及び停電確認後、いよいよ作業本番。
指定の位置でレール切断(仮切断)
バールを用いて掛け声とともにテコの要領でレールを移動させます。
砕石を取り除いた状態では、ズリ、ズリと目に見えて動きます。
レール接合部、レールを近づけ切断位置を確認します。
切断箇所を定めたら専用高速カッターでレールを直角に切断。
次にレールを連結するための穴を穿孔。
穿孔完了。
継目板とボルトを用いてレールを接合、仮線につながりました。
作業進捗具合と工程表を確認。
現場責任者に重圧がかかります。
レール接合作業と平行して、移動後の線路には土嚢から砕石を出してレール間に敷き詰めていきます。
不足する砕石は補充。
道路と軌道の両方を走ることができる軌陸ダンプ。
砕石を左右に落とせるように横向きにダンプできるのも特徴です。
搗き固め作業。
タイタンパーと呼ばれる機械により砕石へ振動を与えることで、砕石間の余分な隙間をなくし軌道を安定させます。
レールは仮線側へとカーブすることになりますので、左右のレールに高低差を付けます。
計測器を見ながら外側レールをジャッキアップ。
そしてレールの左右のズレを整えていきます。
5時07分
予定通り試運転列車が到着。
ゆっくりとゆっくりと切替部を通過して仮線へ。
問題なく通過、ひとまず安堵の瞬間。
列車が通過した後に再計測。測定値に問題があれば直ちに再整備を行います。
こうして夜明けを迎え、一夜のイベントは無事終了しました。
(数年後、高架橋が完成した後に再度切替を行うことになります。)